最終更新 2026.06.17
特許制度は、発明を保護・奨励しその利用を図ることで、技術と産業の発展に寄与することを目的としています。発明者に一定期間の独占排他権を付与する代わりに発明を公開し、社会全体がその技術を活用できるようにします。日本では、日本国特許庁(JPO)が出願・審査・登録および登録後の管理までを一括して所管します。
特許の登録要件
01
産業上利用可能性
産業上実際に利用できる発明であること。
02
新規性
出願前に公開されていない新しい発明であること。
03
進歩性
その分野の通常の技術者が容易に発明できないこと。
04
先願主義
同一の発明は先に出願した者が権利を得る。
出願から登録までの手続
1
特許出願
願書・明細書・特許請求の範囲・図面・要約書を提出
2
出願審査請求出願日から3年以内
審査を受けるための請求(必須)
3
実体審査請求後 約10か月
審査官が新規性・進歩性等の要件を審査
4
拒絶理由通知・応答通知日から60日(在外者3か月)
意見書・補正書で応答(O.A.)
5
特許査定
審査を通過すると登録の決定
6
設定登録査定謄本送達後30日以内
特許料(第1〜3年分)を納付 → 登録
7
権利発生
特許公報の発行(存続期間は出願日から20年)
※ 出願しただけでは審査は始まりません。出願日から3年以内に「出願審査請求」をしないと出願は取り下げたものとみなされます。(期間は分野・審査状況により異なります。)
知っておきたい制度
出願審査請求制度
出願後に自動で審査されるわけではなく、出願日から3年以内に審査請求が必要です。請求しないと出願は取下げ擬制となります。
新規性喪失の例外(猶予期間)
発表・刊行・展示などで公開した場合でも、公開日から1年以内に出願すれば新規性喪失の例外の適用を受けられます(2018年改正で6か月→1年)。
早期審査・優先審査
一定の要件を満たせば通常より早く審査を受けられ、さらに早いスーパー早期審査制度もあります。
特許異議申立て・無効審判
登録公告後の一定期間内は誰でも異議申立てができ、利害関係人は無効審判を請求できます。
存続期間
出願日から20年。医薬品等は最長5年延長でき、審査遅延時には期間補償のための延長制度もあります。
PCT国際出願
一つの出願で複数国に出願した効果が得られます。日本の国内段階移行は優先日から30か月以内です。
最近の動向(2024〜2026)
2025
AIの発明者性 —「発明者は自然人」
日本の知的財産高等裁判所は、特許法上の発明者を自然人に限ると判断(AIシステムの発明者資格を否定)。JPOはAI活用発明の発明者性を引き続き検討中です。
2026
特許(登録)証の電子化
2026年4月1日から特許(登録)証・年金の領収書等がPDF電子データに一元化されました(紙の発送は原則廃止)。
2025〜26
国際出願手数料の改定
PCT国際出願関係の手数料が2025年・2026年にかけて改定されました。最新の料金は特許庁の公示をご確認ください。